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青森港湾事務所及び青森河川国道事務所では、9月26日(金)に五所川原農林高等学校 農業土木科の2年生27名を招き、青森港にて整備の進む港湾施設と、軟弱地盤上に盛土工事が進む五所川原西バイパスの現場見学会を行いました。 |
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港湾施設 編 |
午前中は青森港湾事務所の案内で、青森港において整備済みの施設や、整備途中の防波堤を見学させてもらいました。
司会を務めてもらった石井係長です。
まずは、港湾事務所の会議室にて、港湾事務所の沿革や、現在進めている事業の話を聞きました。
説明をしてくれた、菅原総務課長です。
現在、港湾事務所には24人の職員がおり、そのうち5人が皆さん方の先輩です。また、7月20日の「海の記念日」は青森港からうまれたのです。等の説明がありました。
その後、青森港を紹介するビデオも見せてもらいました。
引き続き、会議室のすぐ外でケーソンの製作風景を見学しました。説明をしてくれたのは、平岡係長です。
ケーソンとは、鉄筋コンクリート製の中身が空洞になった大きな箱(10.0m×7.6m×12.5m)で、防波堤の本体になります。ここで製作したケーソンは、海に浮かべながら防波堤の建設現場まで船で引っ張り、据付場所まで運び、中に砕石を入れて沈設するのです。
事務所のすぐ脇ではこんな大きなクレーンが動いているのです。
ここでは、一度に3函のケーソンが同時に作られているそうです。
写真の右側では、ケーソン作成のための型枠や鉄筋の組立を行っていました。
コンクリートはポンプ車で流し込みます。ミキサー車によって運び込まれたコンクリートを、このポンプ車で必要な場所まで運ぶのです。
ちなみに、このポンプ車はコンクリートを流し込む場所にいるオペレーターがリモコン操作しているのです。
場所を移動し、既に整備済みの新中央埠頭にやってまいりました。ここには豪華客船が毎年入港し、つい最近も飛鳥Uが寄港しました。
説明をしてくれたのは、川島沿岸防災対策官です。
青森港の海底の地盤は、軟弱地盤が多いそうで、この中にはいくつもの砂杭が打たれているそうです。
また、地面には豪華客船の高い視点から見られるような絵が描かれているそうです。
先端には、青森の頭文字Aになぞらえた灯台も。整備の際には景観にも配慮されたとのこと。
今度は、見学会ではなく、誰かさんと2人で来てみてね。
場所を移して、フェリー埠頭にやってまいりました。新たに耐震岸壁として整備したものです。
ここで、残念ながら雨が降ってまいりました。
なお、フェリーは車が載っているか否かで2m近くも浮き沈みするそうです。ちなみに、ここら辺一体は冬でも安全に作業が出来るよう、融雪設備が整っているそうです。
続いて、新フェリーターミナルの3階から防波堤の現場を見てみました。かなりわかりづらいとは思いますが、写真左の奥に見えるのが、建設中の第一北防波堤です。
ここに、冒頭で製作したケーソンが運ばれ、延長800mの防波堤が完成するのです。
以上が青森港現場見学会の様子でした。
青森港湾事務所のHPはこちらから |
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五所川原西バイパス 編 |
午後からは、五所川原西バイパスの現場にやってまいりました。
現場を案内してくれたのは、梨子(なし)建設監督官です。
このバイパスは高規格道路であるため、交差道路とは立体交差にしなければならないこと。道路を高い位置に作るため、一番安い土を利用していることなどの説明がありました。
午前中に引き続き、なにやら怪しい空模様。さえぎるものが無く、風がビュービューするなかでも、まじめに聞き入る生徒たちです。
昼食後の眠気もスッキリ?
今回の現場では、体を動かしてもらいました。青森河川国道事務所の見学会のウリは「体験型」です。
具体の作業については、現場代理人から説明がありました。
体験学習は、@仮に盛られた三角錐の体積を求める班、A盛土に必要な丁張(ちょうはり)を設置する班×2の計3班に分かれて作業開始です。
取材をしてるおじさんも丁張を設置したことがありません。今日は、おじさんも勉強です。
まずは、三角錐班です。三角錐の体積は、(底面積×高さ÷3)ですが…さてさて、この「底面積」を算出する方法が今回の重要ポイントのようですね。
実は、ヘロンの公式というのを使うと、三角形の3辺の長さがわかるだけで面積が出てくるのです。
面積がわかれば、後は高さを測るだけです。ちゃんと水準器を当てて、高さを測っていますよ。
全て測り終わって、作戦会議です。黄色いカッパの女性は、指導してくれた施工業者の方です。
計算し終わり、答えあわせです。
どうやらちゃんと正解したようです。ちゃ〜んと授業が生かされているのですね。
ちなみに、ヘロンの公式とは、それぞれの辺の長さがa、b、cの三角形の面積をSとすると、S=√(s(s-a)(s-b)(s-c))となります。このとき、s=(a+b+c)/2になります。
こちらは丁張班です。まずは業者の方々がお手本を見せてくれました。
丁張とは、盛土や切土を施工する場合の目印なのです。
赤い杭が道路の中心です。今回はミニチュア版丁張なので、盛土の上幅は3mとしました。まずは、中心から概ね1.5mの場所にスプレーで印をつけます。
次にその印をはさんで盛土の横断方向に、少しずつ放して2本の木杭を打ちます。お手本では1本しか打ちませんでしたけどね。
打った木杭の天辺には高さ測定用の釘を打ち付けます。
お手本はここまでです。
ここから先は、生徒の皆さんで協力して進めて行きます。
まずは杭打ちからですが…おいおい、人の頭をたたくなよぉ。
先程設置した木杭上の釘に高さを持たせるため、レベルという機械で測定します。
まずは、機械を名前のとおり水平に設置します。次に、機械についている望遠鏡で既に高さがわかっている場所に立てたスタッフの目盛りを読みます。スタッフとは、ものさしのデカいやつですね。
そうすることで、(既知点の高さ+目盛り)で機械の高さが算出されます。このように高さの基準になる点をベンチマークと呼ぶのです。
どれどれ、見えるかな?
機械の高さがわかったら、求めたい点の上に同じようにスタッフを立て、その目盛りを読みます。(機械の高さ−目盛り)から、求めたい高さがわかるのです。
理屈は単純ですよね。
今回の基準高は14.835mでした。
これで、最初に設置した木杭の上の釘の高さが求められました。それを基に、今回の盛土の天端高さに合わせ、水平に木片を打ち付けます。木片の天辺を盛土の天端高さにするのがポイントです。ここでも水準器が活躍します。
水平の木片が設置できたら、盛土の肩の位置を決めます。中心杭から測定し、釘を打ちます。
盛土の肩が決まると、そこから指定された勾配で法面がつけられます。今回の場合は、1:1なので45°ですね。
ここでは、スラントと呼ばれる特別な水準器で勾配をつけた板を打ち付けます。
中心から両側に丁張が完成すると、こんな感じになります。
工事現場をのぞいたときに、見たことありませんか?
施工業者さんは、これを目印に盛土を行っていくんですね。
一通りの作業を終え、質問タイムです。バイパス全体ではどのくらいのお金がかかるの?などの質問が出ていました。
作業終盤から降り出した雨と終始吹き付ける強風で皆寒そうです。
最後にお礼を言ってさよならしました。風邪を引かなきゃいいのですが…
以上が、五所川原西バイパスの現場でした。
監督官のHPはこちらから |
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残念ながら、当日は雨(T_T)。でも、生徒の皆さんにとっては、どれもこれも貴重な体験だったことでしょう。この経験を活かし、土木の魅力にハマってね。
青森河川国道事務所及び青森港湾事務所では、他にも多数の見学箇所を用意して、一般の方々からも広く現場見学を募集しています。 |
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