【砂防防災情報】（非常体制）岩手県内陸南部を震源とする地震災害について

【砂防防災情報】（非常体制）岩手県内陸南部を
震源とする地震災害について（第２１報）

　平成２０年６月１４日の「岩手・宮城内陸地震」により、磐井川の市野々原(いちののばら)地区で発生した"天然ダム"の対策状況等について、本日の対応状況をお知らせいたします。
　市野々原地区では、仮排水路の拡幅等を実施しており、可能な限り排水断面の拡大を図っているところです。
　産女(うぶすめ)地区では、本日、工事関係者による現地踏査を実施したほか、土石流を監視するカメラ１台を設置しております。

１．市野々原地区の状況
　　・昨日午後からの水位上昇はありません。
　　　 ※本日の水位状況（１８時現在）：昨日夕方（１８時）より２ｃｍ水位低下
　　・天然ダムによる湛水位と背後地（水田等）の地盤高の比高差は約６．５ｍ
　　・現地状況に大きな変化は見られておりません。

２．本日の作業状況
　 ○市野々原地区
　　・掘削機械８台により、仮排水路の断面拡大作業を継続実施。
　　・各種観測機器により、現地状況の監視を継続中。
　　　  （移動杭３箇所、ワイヤーセンサー１箇所、水位計２箇所、監視カメラ２台）
　 ○磐井川下流浸水防止対策〔６／２０までに設置済み〕
　　・"天然ダム"の決壊に備えて、地盤高が低い地区２箇所に大型土のうを設置。
　　　 ①厳美町樋ノ口地区：大型土のう（２列）Ｌ＝約６００ｍ
       　 ②厳美町小河原地区：大型土のう（１列）Ｌ＝約１００ｍ
　 ○国道３４２号大規模土砂崩落箇所〔矢櫃(やびつ)工区〕
　　・掘削機械２台(うち無人化施工機械１台)により、排土作業を継続実施。
   　  ・監視カメラ(１台)による状況把握を継続中。
　 ○産女地区
　　・工事着手に向けて、関係者による打合せ及び現地踏査を実施。
　　・本日午後、竜ノ口(たつのくち)砂防えん堤に監視カメラ１台を設置し、状況監視を開
　　　始。

３．明日の予定
　 ○市野々原地区
  　・仮排水路の断面拡大作業を継続実施。
　　・各種観測機器により、現地状況監視を継続。
　 ○国道３４２号大規模土砂崩落箇所〔矢櫃工区〕
　　・崩落土砂の撤去作業等を継続実施。
　　・監視カメラによる状況把握を継続。
　 ○産女地区
　　・現地への建設機械搬入などの作業に着手する予定。
　 ○監視体制拡充に向けた現地調査
　　・磐井川の監視体制を強化するため、学識者等による現地調査を行う予定。

４．岩手河川国道事務所の体制
　　・非常体制(河川)　

５．注意事項
　・危険であるため、工事現場への立ち入りは禁止しております。
　　（万一、事故が発生した場合、工事が停止してしまいます。ご協力願い
　　　ます。）
　・一関市災害対策本部より「警戒区域」への立ち入りを許可された場合で
　　も、工事現場への立ち入りは禁止ですので、十分留意願います。

６．その他
　　・引き続き、地震・防災情報に注意して下さい。
　
　　　　　　　　　　〈発表記者会：岩手県政記者クラブ〉