1-2-3 河川環境の現状と課題
(1) 河川環境の現状
 
1) 動植物及び景観
 
@ 山地部
 村山圏域の山地には、ブナ群落、ブナ−ミズナラ群落など、自然性が高く、動物の生息の場となる森林環境が広く分布している。
 このような豊かな森林環境を背景に、ニホンカモシカ等の大型哺乳類が生息している。
 村山盆地を取り巻く山地部の水生生物は、イワナ、ヤマメ、カジカ、サワガニなどの他、環境庁レッドリスト※1に指定されているアカザ、ハナカジカや、減少傾向にあるトウホクサンショウウオなども確認されている。

  A 山地から平地部
 山地から平地にかけては、主にヨシ・ススキの群落が分布している。
 このような植生環境を背景にイタチなどの哺乳類や、カモ類等の水辺の鳥類、ヒバリ・カワラヒワ等の鳥類が多数生息している。
 村山盆地周辺部の里山では、イワナ、ヤマメ、タナゴ、フナ、カジカなどの他、環境庁のレッドリストに指定されているメダカ、アカザ、ゼニタナゴなどが確認されている。
 馬見ヶ崎川の東沢地区では、「東沢地ホタルの里づくりの会」がホタルの住みやすい環境づくりに取り組んでいる。当域は子供達の川遊び、魚釣り場となっている。

  B 平地部
 平地部の河川の水生生物は、県の天然記念物のイバラトミヨが押切川の支川や小見川などの湧き水のあるところで確認されており、各河川には、フナ、コイ、ウグイ、ナマズなどが確認されている。
 沼川では、毎年6〜7月にコイを放流しており、カモも観察することができる。

  C その他
 酢川・蔵王川・須川(蔵王川・酢川合流点から立谷川合流点付近)については酸性の強い河川のため、魚類数が極端に減少する特徴がある。
 内水面の平成11年の漁獲高は、アユ、ヤマメ、イワナ等を中心に220tである。

  2) 河川の水質
 水質の生活環境の保全に関する環境基準※2は、最上川中・下流域がA類型、支流の須川がB類型、寒河江川上流域(高瀬橋上流)がAA類型、下流域(高瀬橋下流)がA類型に指定されている。
 監視地点の水質は、表4によると寒河江川上流においては、BOD※375%値で1.0mg/lを若干上回っているものの、それ以外では環境基準を満足している状況であり、東北地方の中でも有数の清流となっている。一方、市街地を流下する河川、特に、逆川、沼川などの水質が良くない状況である。
 須川については、蔵王川と酢川の合流点から立谷川合流点までが強酸性河川(pH3〜5程度)として知られ、魚類が生息しにくい環境となっている。酢川の酸性は蔵王温泉に、蔵王川の酸性は主に蔵王火山に起因している他、旧蔵王鉱山からの強酸性水の流入も一因となっている。


 
表4 知事管理区間の水質データ(mg/l)
※BOD75%値・・年間測定値の中で小さい方から75%に相当する測定値
資料:環境白書(山形県)
  (2) 河川環境に関する課題
 以上より、河川環境に関する課題は以下のように整理される。
村山圏域の河川の多くは自然豊かな河川環境を有し、多様な動植物の生息・生息の場を提供している。このような豊かな河川環境を可能な限り保全・復元する事が課題である。
  周辺の町並みと一体となった良好な河川景観や水辺景観の維持・形成が課題である。
  河川水質の保全・向上が課題である。


※1 レッドリスト レッドデータブックの基礎となる日本の絶滅のおそれのある野生生物種のリスト(汽水・淡水魚類)1999年2月
※2 生活環境の保全に
   関する環境基準
その河川が目標とする数値で、知事が類型を指定するもの。(AA類型:1mg/l、基準値A類型:基準値2mg/l、B類型:基準値3mg/l、これはBODの基準値である)類型の指定内容は、平成12年度環境白書による。
※3 BOD 生物化学的酸素要求量。数値が大きいほど水質汚濁が著しい。