第1章 河川整備計画の目標に関する事項
1-1 最上圏域の概要
1-1-1 自然と社会環境
 
(1) 最上圏域とは
 当域は、山形県の北部、最上川水系の中流部に位置する山形県最上地域の1市4町3村(新庄市、金山町、最上町、舟形町、真室川町、大蔵村、鮭川村、戸沢村)であり、圏域の河川の概要は、一級河川最上川水系のみで、その数134河川、総延長638km、流域面積約1,720km2となっている。
 また、本圏域内の想定氾濫区域※1面積は、77.km2となっており、ここには最上圏域人口の約14%(約1.3万人)が居住している。
 本圏域は、周囲を奥羽山脈、出羽丘陵等の豊かな森林資源を有する山々に囲まれており、その中心に新庄盆地が形成されている。そこには、本圏域の拠点都市である新庄市が位置しており、その周辺には田園地域が広がっている。
 近年は、山形新幹線の新庄延伸等もあり、新庄市を中心として、地域が一体となった発展が望まれている。

  (2) 圏域の自然環境
 当域は、新庄盆地の平地を東側の奥羽山脈や出羽丘陵などの山々が囲む地域である。最上峡は、日本海であった山形県が出羽丘陵の隆起で内陸湖化した時に誕生した排水路である。ここはまた、今日まで最上川が流路を変えずに、出羽丘陵の隆起分を削り込んでいる場所でもある。
 本圏域の気候は、盆地型気候で一般的に気温の日格差が大きく、年平均気温10℃前後であるが、夏は高温多湿で、冬は最上川沿いに吹きこむ北西風が多量の積雪をもたらす豪雪地帯となっている。しかし、このような変化を有する気候により、四季折々の豊かな自然環境が形成されている。
 新庄における平成1〜12年までの平均最高気温は34.6℃、平均最低気温は-11.6℃となっている。降水量は、盆地中央部の新庄で年間約1,900mm、山地部の肘折で年間約2,900mmとなっている。

  (3) 圏域の社会環境
 当域は、古くから交通の要衝として栄え、独自の文化や伝統を育んできた地域である。
 平成11年12月には、山形新幹線の新庄延伸により、一本の列車で東京に行くことが可能となった。道路では、将来の東北中央自動車道として位置づけられている「尾花沢新庄道路」と「国道47号新庄南バイパス」の一部が、平成11年度から供用開始となっている。
 また、当域では、地域固有の豊かな自然や地域に根ざした歴史文化を活用し、「先進的・理想的に 環境と人とが共生する地域」として最上の魅力を内外に発信し、かつその交流の拡大を通して21世紀の活力ある地域づくりを行い、住みよく、豊かさの実感できるふるさとをつくることを目指した「最上エコポリス※2構想」が実践されている。
 当域の各河川は、農業用水や生活用水、発電用水、水道用水の供給源として古くから活用され、地域産業や日常生活を支える貴重な資源となっている。このほかにも、風景探勝(渓流)、観光、レクリェーション、公園、温泉、釣り堀、養殖場、伝統行事、清水を利用したわさび園等に利用されている。
 また、当域には、小国川、最北中部、最上の3つの漁業組合があり、それぞれ漁業権を設定している。内水面漁業協同組合では、アユやイワナ、ヤマメ、ニジマス他数種の放流を行っており、各地で渓流釣りが盛んに行われている。

※1 想定氾濫区域 河川整備基本方針で定めた洪水規模で、想定される最大の氾濫区域(洪水調節施設がない場合)
※2 エコポリス エコロジー(環境)とポリス(街)の合成語。地球にやさしく生きながら、歴史や文化も含んだ人間の営みもまた最大限に共存できるような「環境と人の理想的な地域社会」を目指すこと。