1-2-4 維持管理の現状と課題
(1) 維持管理の現状
 庄内圏域の知事管理区間は、51河川、220kmと長く、堤防や水門※1、樋門※2等の河川管理施設※3が数多く存在し、それらの施設の機能維持が重要である。また、許可工作物※4としての樋門、堰、道路・鉄道橋も多く設置されている。
 
1) 災害を防ぐための日々管理
 
@ 河川巡視
 河川の重要度に応じ、河川管理施設の点検と不法占用・不法投棄現状の確認のための巡視を行っている。
  A 堤防の除草、支障木の伐採
 治水と自然環境のバランスを図りながら管理しているが、河川管理の上での影響が懸念される箇所がある。


  2) 洪水管理
 各水位観測所において、水防活動の目安となる水位を決めている。特に水防上必要として指定した河川については、水防警報が発令される。水防警報河川については、無線による水位情報取得が可能となっているが、他の河川については目視による観測が主であり、その伝達は電話連絡により行われている。また、県で取得した情報を市町村や消防団で直接取得できないため、県防災行政無線により伝達が行われているのが現状である。
 既存ダムについては、適切な管理・運用により、ダム下流の洪水の軽減に努めている。

  3) 震災・水質事故等の対応
 震災については、山形県地域防災計画に位置づけられており、定期的な防災訓練等を通し、情報収集・情報伝達手段の確保、迅速な巡視、点検が行えるよう更に体制の整備に努めている。
 水質事故については、水質事故発生時の通報の迅速化とともに、発生現場において即時の対応が取れるよう、国土交通省・県・市町村等の関係機関による「水質汚濁対策連絡協議会」を組織し、相互の通報・協力関係を密にするとともに、現地における即応体制の整備を図っている。また、この協議会において、河川愛護や環境保全に関する啓発事業や、各種広報活動等も実施している。
 しかし、水質事故は年々増加する傾向にあり、その9割以上が油の流出によるものである。

  4) 地域と一体となった河川管理
 庄内圏域の河川空間は、多くの地域住民に多種多様に利用されている。一方で、河川敷地へのゴミの投棄が多く、河川愛護団体やボランティアによる河川清掃を実施し意識の高揚を図っている。
 山形県では、全国に先駆けて昭和52年度から、県民の自主参加により河川や海岸の愛護活動「きれいな川で住みよいふるさと」運動を実施している。
平成12年度実績(庄内圏域)
 
7月 延べ105河川 10海岸 参加者 23,700人
  9月 延べ53河川 5海岸 参加者 6,600人
        (延べ参加者 30,300人)
  (2) 維持管理の課題
 以上より、維持管理に関する課題は以下のように整理される。
動植物の生息・生育環境に配慮した上での維持管理の促進が課題である。
  河川情報の正確かつ迅速な収集・処理・伝達を図ることが課題である。
  河川管理者と地域住民・NPOとが協力連携して、多様なパートナーシップによる河川管理の実施が課題である。
  洪水に対する地域住民の意識の高揚を図ることが課題である。
  水質事故に対する迅速な対応や、各種広報活動の充実を図ることが課題である。


※1 水門 洪水で本流の水かさが増しても、その水が支流に流れ込まないように遮断する施設のことを言う。一般に、川を横断する形で支流に設置される。
※2 樋門 河川から水を取ったり、田などの排水を河川に流したりするために設置する施設のことを言う。 堤防を横断する形で設置され、洪水の時には河川の水が逆流しないように扉を閉め、堤防と同じ機能を発揮する。
※3 河川管理施設 流水の氾濫等を防ぎ、軽減するために設置し、管理する構造物。
※4 許可工作物 河川管理施設以外の工作物。