(2)各地域の整備概要

10)村山地域(須川ブロック)
@河川の氾濫被害等の軽減対策
【外水対策】
須川ブロックは、流域に県都山形市を抱えているにも係わらず、河川の整備が遅れており、昭和63年から重点的に河川整備を行ってきたところである。
  JR左沢線須川鉄道橋改築事業イメージ図
  今後、上流部の県管理区間においても、段階的に河川整備を進めることとしており、上下流バランスの観点から下流部の河川整備を先行する必要がある。特に、本川合流点部は、大規模な引堤計画(家屋移転43戸)であり、計画的かつ重点的に事業を進める。
  須川の治水上のネック箇所となっているJR須川鉄道橋の改築を行う。
 
【内水対策】
頻発する内水被害については、浸水被害状況等を勘案しながら順次対応を図る。特に、JR須川鉄道橋上流部については現橋梁部が狭隘であり、洪水時の堰上げによる水位の上昇により、内水被害が生じやすい地区であることから、本川水位の低減 対策も含め内水対策に十分配慮する。
 
【危機管理対策】
洪水時における河川管理施設(排水機場や樋門)の遠隔操作による管理業務の効率化、画像監視装置等による常時の河川状況の監視、河川情報等各種必要なリアルタイムな情報の一般への提供等を構築する光ファイバー網の整備を図る。

 
A河川環境の整備と保全
河川空間を地域の憩いの場、癒しの場、学習の場として活用できるよう桜づつみ及び水辺プラザ等の整備や河川利用、水面利用について地域との連携、ニーズを十分勘案し、必要に応じて整備を図る。
  須川は、酸性の強い温泉水の流入する酢川と、蔵王火山からの強酸性水及び硫黄廃鉱排水の流入する蔵王川の合流により、強い酸性となり魚類数が極端に減少する特徴がある。事業を実施する場合には、このような特徴をもつ須川の現況をふまえて、自然環境の保全・復元や景観の維持・形成を図る。
  河道掘削にあたっては、掘削後の断面が単調にならないように留意するとともに、動植物については現況の河川環境が自然再生するように配慮する。(多自然型川づくりの推進)

 
B事業実施による効果
鉄道橋の架替及び引堤、河道掘削により氾濫被害と頻発する内水被害が軽減される。
 

光ファイバー網の整備により、本ブロックの常時画像情報の一元化が可能となり、特に洪水時等においては一層の迅速かつ的確な水防活動が可能となると同時に、流域住民に対してリアルタイムな情報提供を行うことで、異常時の迅速な対応(避難等)が可能となる。また、渇水時における河川の状況や川の365日のリアルタイムな画像情報等が得られ、適切な維持・管理が行えるとともに、これらの情報を一般に提供することにより、河川の現状に対して理解が進む。

【河川の氾濫被害等の軽減対策】
本支川区分 目 的 種 類 位 置 関係市町村
支川







無堤部及び
暫定堤の解消
引堤及び築堤 左岸
0.5〜3.5km
9.2〜11.6km
中山町、山形市
山形市
右岸
0.0〜1.9km
7.9〜11.6km
天童市、山形市
山形市
水位低減対策 河道掘削 0.5〜8.8km 天童市、山形市
中山町、山辺町
河積阻害構造物の改築 水管橋 0.3km 中山町、天童市
道路橋 11.3km 山形市
鉄道橋 7.9km 山形市、山辺町
危機管理体制の確立 光ファイバーケーブル敷設
画像監視装置等、
受信施設 等
全川  
※今後の災害の発生や調査結果等により、新たに河川工事が必要となる場合がある。