(2)各地域の整備概要

7)最上地域(最上ブロック)
@河川の氾濫被害等の軽減対策
【外水対策】
大淀ブロックは、地形的特性から本川が大きく蛇行し、最上川の治水上のネック箇所となっており、その背水による影響は上流約20kmまでおよび、氾濫域内の資産の集積している村山地区の洪水時の安全性を大きく低下させている。
  一方、良好な自然景観を有し、かつての舟運時代を河岸に刻む歴史的景勝地でもあり、当時の難所(碁点・三ヶ瀬・隼)は、現在観光資源として年間約3万人の舟下りを堪能する観光客で賑わっている。
  流下能力の向上にあたっては分水路(トンネル)事業を行い、自然環境及び景観、観光資源への影響等に配慮する。
大淀分水路イメージ図 大淀分水路イメージ図(越流堤部)
 
【内水対策】
頻発する内水被害については、浸水被害状況等を勘案しながら順次対応を図る。
 
【危機管理対策】
画像監視装置等による常時の河川状況の監視、水位観測所からの各種河川情報等、必要な情報の一般へのリアルタイムな提供等を行うシステムを構築するため光ファイバー網の整備を図る。
  また、洪水時の水防活動及び緊急復旧活動などのための拠点整備について検討する。

 
A河川環境の整備と保全
大淀ブロックには、碁点、三ヶ瀬、隼の三つの瀬に見える美しい岩盤や舟運時代の名残である曳き綱跡の残る岩等の歴史的景勝、河岸斜面のカワセミの営巣、舟下り等の観光資源がある。分水路(トンネル)事業では、これらの資源の重要性に配慮するとともに地域ニーズを十分勘案した整備を行う。
  消流雪用水導入事業イメージ図
  河川空間を地域の憩いの場、癒しの場、学習の場として活用できるよう桜づつみ及び水辺プラザ等の整備や河川利用、水面利用について地域との連携、ニーズを十分勘案し、必要に応じて整備を図る。
  大石田町においては、冬期間における安全で快適な生活環境確保のための消流雪用水導入事業を実施する。

 
B事業実施による効果
分水路(トンネル)事業による村山地区の水位低下が図られることにより、ダメージポテンシャルの大きい村山地区の治水安全度の向上が図られるとともに、内水被害についても軽減される。
 

光ファイバー網の整備により、本ブロックの常時画像情報の一元化が可能となり、洪水時等においては一層の迅速かつ的確な水防活動が可能となると同時に、一般に対してリアルタイムな情報提供を行うことで異常時の迅速な対応(避難等)が可能となる。また、渇水時における河川の状況や川の365日のリアルタイムな画像情報等が得られ、適切な維持・管理が行えるとともに、これらの情報を一般に提供することにより、河川の現状に対して理解が進む。

 

大石田町は平均積雪約160cmという山形県でも屈指の豪雪地帯であるが、消流雪用水導入事業を実施することにより、冬期間の安全性、快適性などの生活環境の向上が図られる。

【河川の氾濫被害等の軽減対策】
本支川区分 目 的 種 類 位 置 関係市町村
本川



無堤部の解消 築 堤 左岸
73.4〜77.9km
尾花沢市
大石田町
左岸
97.7〜100.2km
村山市
水位低減対策 分水路 (トンネル) 96.4〜101.5km 村山市
危機管理体制の確立 光ファイバーケーブル敷設
画像監視装置等、
受信施設  等
全川  
※今後の災害の発生や調査結果等により、新たに河川工事が必要となる場合がある。


【河川環境の整備と保全】
本支川区分 目 的 種 類 関係市町村
本川 生活環境の整備 消流雪 大石田町
河川環境の整備 特殊堤の修景 大石田町