(2)各地域の整備概要

5)最上地域(最上ブロック)
@河川の氾濫被害等の軽減対策
【外水対策】
これまで洪水により多大な氾濫被害が生じており、従来より市街地を中心に堤防の整備を進めてきたところである。当該ブロックには未だに多くの無堤箇所が残っているが、被害実績や土地利用として重要な農耕地であることに配慮した整備を図る。
  無堤部の解消イメージ図
  また、築堤のみでは、所定の流下能力が確保できない箇所については、河道掘削を行う。
 
【内水対策】
頻発する内水被害については、浸水被害状況等を勘案しながら順次対応を図る。特に、河川の蛇行の著しい当該ブロックは、洪水継続時間が長引くこと等による小支川等の内水被害が生じやすいブロックであることから、本川水位の低減対策も含め内水対策に十分配慮する。

 
【危機管理対策】
画像監視装置等による常時の河川状況の監視、水位観測所からの各種河川情報等、必要な情報の一般へのリアルタイムな提供等を行うシステムを構築するため光ファイバー網の整備を図る。
 

洪水時の水防活動及び緊急復旧活動などのための拠点整備について検討する。

 

 
A河川環境の整備と保全
河川空間を地域の憩いの場、癒しの場、学習の場として活用できるよう桜づつみ及び水辺プラザ等の整備や河川利用、水面利用について地域との連携、ニーズを十分勘案し、必要に応じて整備を図る。
  消流雪用水導入事業イメージ図
  冬期間における安全で快適な生活環境確保のため、必要に応じ消流雪用水導入事業※1を実施する。
  最上ブロックは、沿川に松尾芭蕉の句碑をはじめとする文化財が多数点在しているとともに、林地や山間農村地等の素朴な景観を有しており、事業を実施する場合にはそれらの景観等に十分配慮する。
  河道掘削を行う際には、瀬と淵を保全し、また、掘削後の断面が単調にならないように 留意するとともに、現況の河川環境が自然再生するよう配慮する。(多自然型川づくりの推進)また、魚類の回遊等の移動に支障を与えないよう、掘削時期や濁水の発生にも十分配慮する。

 
B事業実施による効果
農耕地に配慮した整備を行うことにより、平成9年6月洪水規模の洪水に対して氾濫被害の軽減が図られる。
 

河道掘削等による河積拡大により、洪水時において水位の低減が図られる。

 

光ファイバー網の整備により、本ブロックの常時画像情報の一元化が可能となり、洪水時等においては一層の迅速かつ的確な水防活動が可能となると同時に、流域住民に対してリアルタイムな情報提供を行うことで、異常時の迅速な対応(避難等)が可能となる。また、渇水時における河川の状況や川の365日のリアルタイムな画像情報等が得られ、適切な維持・管理が行えるとともに、これらの情報を一般に提供することにより、河川の現状に対して理解が進む。

 

【河川の氾濫被害等の軽減対策】
本支川区分 目 的 種 類 位 置 関係市町村
本川







無堤区間の解消 築 堤 左岸
43.5〜61.1km  
新庄市
大蔵村
戸沢村
右岸
42.1〜57.7km
新庄市
大蔵村
戸沢村
水位低減対策 河道掘削 左右岸
39.9〜62.1km
舟形町
新庄市
大蔵村
戸沢村
内水対策 排水機場の改築 坊の沢川 戸沢村
危機管理体制の確立 光ファイバーケーブル敷設
画像監視装置等、
受信施設 等
全川  
※今後の災害の発生や調査結果等により、新たに河川工事が必要となる場合がある。


【河川環境の整備と保全】
本支川区分 目 的 種 類 位 置 関係市町村
支川
小国川
河川環境の整備 桜づつみ 左岸
0.0〜2.4km
舟形町

※1 消流雪用水導入事業 市街地を流れる流雪溝に用水を供給する事業