(2)各地域の整備概要

2)庄内地域(飽海ブロック)
@河川の氾濫被害等の軽減対策
【外水対策】
氾濫形態が拡散型でかつ庄内平野の扇頂部に位置する立谷沢川合流点付近(清川地区)は、支川からの流出土砂の堆積により河道の閉塞が著しく、洪水による多大な氾濫被害が予想されるため、堆積している河道の土砂掘削を行う。
  当該ブロックの下流部では、既設構造物の損傷による洪水時の堤防への影響が危惧されるため、老朽化の著しい水制工の改築を行う。
 
【内水対策】
頻発する内水被害については、浸水被害状況等を勘案しながら順次対応を図る。
 
【危機管理対策】
危機管理対策として光ファイバー網の整備を行い、「最上川さみだれ大堰」をはじめとする河川管理施設の運用状況の監視や画像監視装置等によるリアルタイムでの洪水情報の提供、遠隔操作等の河川管理業務の高度化を図る。
  また、洪水時の水防活動及び緊急復旧活動などのための拠点整備について検討する。
 
A河川環境の整備と保全
本地域の整備にあたっては、扇状地という地理的条件や地域との連携を十分勘案し、適切な整備を図る。
  立川町水辺の楽校整備イメージ図
  河川空間を地域の憩いの場、癒しの場、学習の場として活用できるよう桜づつみ及び水辺の楽校※1等の整備を推進する。
  舟運等による河川利用、水面利用については、社会情勢等を勘案し検討する。
  河道掘削を行う際には、掘削後の断面が単調にならないように留意するとともに、動植物については現況の河川環境が自然再生するように配慮する。(多自然 型川づくりの推進)また、魚類の回遊等の移動に支障を与えないよう、掘削時期や濁水の発生にも十分配慮する。
 
B事業実施による効果
河道掘削等による河積拡大より、洪水時において本川水位の低減が図られる。
 

光ファイバー網の整備により、本ブロックの水位や流量等の河川情報、洪水時においては出水状況及び災害情報の提供等が容易となり、一層の迅速かつ的確な水防活動が可能となると同時に、流域住民に対してリアルタイムな情報提供を行うことで、異常時の迅速な対応(避難等)が可能となる。
また、渇水時における河川の状況や川の365日のリアルタイムな画像情報等が得られ、適切な維持・管理が行えるとともに、これらの情報を一般に提供することにより、河川の現状に対して理解が進む。

  平成9年度から地域との連携により行っている「最上川桜回廊整備事業」により、堤防の強化を図り、潤いの空間をつくると共に親水空間を提供できる。
  「立川町水辺の楽校」は、北に鳥海山、南に月山を眺望できる、「立谷沢川」と山形県の母なる川「最上川」が合流する風光明媚な土地であり、豊かな自然環境や良好な景観を活かした、多目的かつ広域的な河川利用が期待される。

【河川の氾濫被害等の軽減対策】
本支川区分 目 的 種 類 位 置 関係市町村
本川



水位低減対策 河道掘削 12.4〜14.6km
26.4〜28.2km
余目町
立川町
松山町
暫定堤の解消 築 堤 右岸
22.2〜22.4km
23.2〜24.0km
松山町
河岸防御対策 水制工の改築 N=20基 余目町
立川町
松山町
内水対策 排水機場の改築 鈴川 松山町
危機管理体制の確立 光ファイバーケーブル敷設
画像監視装置等、
受信施設 等
全川  
※今後の災害の発生や調査結果等により、新たに河川工事が必要となる場合がある。


【河川環境の整備と保全】
本支川区分 目 的 種 類 位 置 関係市町村
本川 河川環境の整備 桜づつみ 左岸
12.4〜24.4km
右岸
12.5〜26.0km
余目町
立川町
松山町
水辺の楽校 左岸
27.6km
立川町


※1 水辺の楽校 河川のもつ様々な機能を活かし、川が身近な遊び場、教育の場となるよう整備する事業