(4)洪水による災害の発生の防止又は軽減に関する目標
1)整備目標
 本川については、村山及び置賜地域で戦後におきた最大規模の洪水である昭和42年8月洪水(羽越豪雨)と、最上及び庄内地域で戦後におきた最大規模の洪水である昭和44年8月洪水の二つの洪水と同等規模の洪水が再び発生した場合に想定される住家への氾濫被害を防ぐとともに、農耕地については平成9年6月洪水と同等規模の洪水による冠水を極力軽減させることを整備目標とする。
 支川(須川、鮭川、京田川)については、表−7に示す対象洪水を整備目標とする。その他の支川については本川との整備バランスを考慮して整備を図る。

@外水※1対策
 河川の氾濫被害を軽減させるためには、流域内洪水調節施設の整備による河道への負担軽減、無堤部の堤防整備、既設堤防の拡幅(引堤)、河道掘削による河積拡大、流下阻害構造物の改築など、上下流の一連整備によりはじめて総合的に治水効果が発揮される。これまで最上川においては、治水効果の早期発現に向けて、既存の土地利用や自然の遊水機能、上下流への影響等を十分考慮し、白川ダム、寒河江ダム、大久保遊水地等の流域内洪水調節施設の整備と併せて無堤部の解消等、計画上必要な堤防の整備を優先的に実施してきたところである。
 外水対策については、過去の洪水による氾濫箇所や浸水被害、土地利用状況等を勘案し、計画期間内において一連効果の発現が図られるよう、段階的な整備目標を定め、河道の整備と洪水調節施設の整備を効率的に実施し、整備目標を達成するよう努める。

表7  主要地点における整備対象洪水
河川名 主要地点名 地先名等 対象洪水名
最上川 西大塚 川西町大塚 昭和42年8月
洪水規模
(羽越豪雨)
小 出 長井市小出
下 野 河北町下野
堀 内 舟形町堀内
堀 内 舟形町堀内 昭和44年8月
洪水規模
両羽橋 酒田市広田
須 川 鮨 洗 山形市鮨洗 大正2年8月洪水規模
鮭 川 真 木 鮭川村真木 昭和28年8月洪水規模
京田川 広 田 酒田市広田 昭和46年7月洪水規模
 
A内水対策
 最上川はその地形的特性である狭窄部上流や蛇行の著しい区間において、堰上げによる水位の上昇や洪水継続時間が長引く影響等により、内水被害が頻発していることから、内水対策については、内水氾濫被害状況を十分勘案し、本川水位の低減対策も含め、必要に応じ、排水機場の整備・排水ポンプ車の活用により、氾濫被害の軽減に努める。
 
B危機管理対策
 治水対策が進むことにより、洪水による氾濫被害が少なくなるのに伴い、洪水に対する防災意識は少しずつ薄れてきている。また、整備途上段階或いは予想を上回る大洪水などの「もしも」の事態に備えた対応が重要となる。
 危機管理対策にあたっては、河川情報(流量、水位、水質等)の一般への提供と併せ、地域住民と連携し、より迅速な避難対応に努める。洪水氾濫等による緊急時における水防活動の基地となる拠点整備や河川管理の高度化(河川状況を画像情報での把握、樋門の遠隔操作等)等のハード面の対策を図る。
 併せてソフト面については、想定される氾濫区域(洪水氾濫危険区域図等)や過去に経験している洪水の洪水痕跡水位の掲示等により危機意識を促すとともに、過去に体験した甚大な水害の記憶を後世に伝承するよう努める。また、「もしも」の事態に備えた避難対応方法(洪水ハザードマップ※2)等の作成を支援する。

※1 外水 河川内を流れる水のこと(堤防により守られる土地を堤内地、それと反対で河川水の流れる土地を堤外地という)
※2 洪水ハザードマップ 河川が氾濫した場合、想定される浸水面積や避難場所、避難経路等を示した地図