第5回最上川水系流域委員会が開催されました。
 
 平成13年5月23日に第5回最上川水系流域委員会が、パレスグランデール(山形市荒楯町1−7−40)において学識経験者、市民団体の代表者、関係行政等が出席し開催されました。
 
 主な意見としましては、
 
(1) 河川整備計画の理念について
 
理念に「自然との共生」を盛り込むべき。
「暮らしにとけ込む川づくり」と「心の川づくり」のフレーズが特に川づくりの部分がラップ。それぞの趣旨を分かりやすくした方がよい。
「心の川づくり」は日本語として判りづらいので、述語を補う必要がある。
「歴史を育み 未来を開く」という基本方針理念を各テーマに引っかけるようにした方が良い。
自然との共生、川づくりを考えた場合、理念に水の循環というテーマも必要。最上川は、山形県のシンボル。21世紀の時代を踏まえた、高尚な目標を掲げて、格調高い言葉で、骨太に理念を書くべき。
理念については最後に決まれば良いので毎回改正案を出しリファインしていくやり方もある。
理念の中の「紅花の道」というのは、全国に山形のイメージとして流してはいるが、どこに紅花が植えてあるのかわからないと観光客をがっかりさせたいきさつがある。もし、この文句をうたうのなら、河川敷に紅花を植える、紅花をいっぱい運動などを行い、言葉だけが先行したものにならないようにするべき。
3番目の理念で暮らしに元々とけ込んでいる川をフレーズにしているのはインパクトが無い。「暮らしに生きる川づくり」にした方が良い。4番目の理念は「川づくりは心づくり」などが良いと思う。
   
(2) その他
 
最上川中流部の藏岡では、河川利用がなされていないようだが、河川敷の利用はできないのか。
   
(3) 主要な治水対策検討資料について
〈主要な治水対策検討資料全般についてのご指摘・ご意見〉
 
具体的な整備計画メニューの実施年度と完成年度を教えて欲しい。自治体としては地域計画を策定する際に国の方向が見えないと計画を策定しづらいため、整備計画におけるメニューを5年、10年のスパンで示していくことが大切。
河道掘削案や引き堤など各対策案についてこの場で議論するのか。
多少の増額なら、将来を考えた場合には川幅を大きく取り、余裕を持たせた方が有効と考える。そういう選択もあるのでは?
引き堤する事で守るべき物が無くなるというが、行政の姿勢としては危険地域に住まわせるという考えはいかがなものか。そういう意味からも引き堤というのも選択肢の一つである。お金が安い方がいいという物でもないと感じる。
歴史的経緯、景観等、地域によって様々な背景があるので、事業については小委員会でもんでもらい、親委員会でもむのがよい。
失敗例などを盛り込みながら、事業を決定したプロセスを素人にも分かりやすく資料に織り込んでもらえば判断基準に役立つ。
投資額だけでなく環境や景観なども評価対象として分かりやすくしては。
   
  −庄内地域−
   
治水対策を計画する際、潮位をどのように考えているのか。また、高潮はどう扱っているのか。
さみだれ大堰では魚道の調査を行っているのか。魚道を遡上する魚は多くなってはいないと思うが。また、大堰周辺の水辺利用が減っているという声もあり、そういう面を補うため上流への稚魚放流を行うなど支援できないか。
さみだれ大堰では協定による建設前後10年間の調査が去年終了しているが、魚道の遡上調査は今後も継続調査して欲しい。
   
  −村山地区−
   
景観を保全するなど具体的な対策が立てられるなら、この大淀地区はショートカットが良いと考える。
当地区は、最上川の心臓部ともいえる景勝地。斉藤茂吉がこの地に住み「白き山」を執筆し最上川の描写がたくさんある。
分水が周辺に影響を与えない方法と思うが、トンネル出入口付近は歴史的な経緯を持つ景観なので、トンネルのデザインを示してほしい。
 
 等がありました。
 
村山地区で議事が終了したため、次回委員会では、大臣管理区間の主要な治水対策案について、再度、意見等をいただき、引き続き知事管理区間の議事を行う予定。
 
会場全体
討論状況


(参考資料)