国土交通省 東北地方整備局 山形河川国道事務所 川や道路のお話

河川のなりたち

交通機関がそれほど発達していなかったころ、川は重要な輸送路(ユソウロ)でした。年貢米を運ぶのも、山から切りだした材木を運ぶのも、川を利用していたのです。また、海でとれた魚介類を新鮮なまま遠くへ運ぶことができなかったので、川でとれるアユやコイ、ウナギなどが貴重なタンパク源とされていました。いまは鉄道や道路が整備されたため、川が輸送路(ユソウロ)として使われたり、毎日の食事に川魚をとったりすることはほとんどありません。その代わりに、水上バイクやカヌー、フライフィッシングなど、レジャーを楽しむ場所として利用されることが多くなっています。
そのように、川の利用のしかたは時代とともに変わってきましたが、川が人に生命の源である水を供給し、産業・経済の大切な資源となっていることは、昔からずっと変わりません。人と地域を支え続けてきた川の基本的な役割は、大きくわけると次の3つとなります。

1.生活に必要な水を供給する

水は生活になくてはならないものです。飲み水はもちろん、お風呂や掃除など、水を使わない日は一日もありません。このように暮らしのなかで身近に使われる水を「生活用水」といいます。水道水は川の水をきれいにしたものですから、私たちは毎日、川のお世話になっているといえます。
川の水はほかにも、水田や畑、工場などでも多く使われます。農業に使われるものを「農業用水」、工場で使われるものを「工業用水」といいます。

2.水の流れる力で生活を豊かにする

洪水で家や橋が流されてしまったのを見たことがありますか。水が流れる力はとても強く、大きなエネルギーを持っています。
人々は洪水によって、水の力の怖ろしさを何度も体験してきました。そして、何とか被害を少なくしようと工夫してきましたが、同時にその力を上手に利用することも考えていました。水車や水力発電などが良い例です。とくに高いところから落ちる水の力を利用した水力発電は、電気をたくさん使う現代人の生活をしっかり支えてくれています。

3.やすらぎとうるおいを与える

川の流れを見ていると気持ちが落ち着いてきます。水の流れには気分をリラックスさせる効果があるといわれています。川はそんなふうに、自然に私たちをいやしてくれているのです。
また、川は自然とふれあえる場所でもあります。いまでは安全に楽しく遊べるように、整備された河原も多くなりました。水遊びや釣り、キャンプやバーベキューなど、川で楽しめる遊びはたくさんあります。

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