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この年の9月は、秋田沖から北海道中部に至る弱い温暖前線と副低気圧の影響を受け、月の上旬から断続的に雨が降っていました。そこに小笠原方面に発生した台風が北上し、次第に本土に近づくにつれ、中部、関東内陸部の副低気圧を吸収し、更に温暖低気圧が強くなったため、台風の湿った空気を加えて大雨となり、15日になると大洪水の危険性は現実的なものとなりました。これがカスリン台風による暴風雨の襲来です。カスリン台風は14日から16日にかけて岩手県、宮城県を襲い、山間部を中心に長雨をもたらしました。
カスリン台風が残した被害の爪痕も癒えぬ昭和23年9月。ちょうど一年後、台風襲来のコースもほぼ同じくしてアイオン台風はやってきました。アイオン台風は16日から17日の午後2時迄で、一関雨量観測所にて日雨量245.6mmという局地的豪雨が発生。磐井川の水位が一時間近くに約5mも増水し、復旧工事未着手の磐井川仮堤防を襲いました。前年のカスリン台風より連続雨量も少なく水位も低かったが、被害は大きく上回り死者393名・住宅被害は33,646戸もの被害をもたらし、2年続けての歴史的大災害となりました。
被害項目 | 被害 | |
---|---|---|
人的被害 | 1,203人 | |
うち死者 | 393人 | |
うち行方不明者 | 316人 | |
うち負傷者 | 494人 | |
住家被害 | 33,646戸 | |
うち流失 | 1,343戸 | |
うち焼失 | 15戸 | |
うち全壊 | 1,053戸 | |
うち半壊 | 1,304戸 | |
うち床上浸水 | 15,774戸 | |
うち床下浸水 | 14,157戸 | |
うち非住家被害/td> | 10,219棟 | |
り災人員 | 180,117棟 |
被害項目 | 被害 |
---|---|
被害額計 | 5,429,376,509円 |
家屋 | 606,453,000円 |
家財 | 366,718,864円 |
衛生関係 | 6,786,254円 |
商工関係 | 211,788,214円 |
耕地関係 | 760,873,808円 |
農作物関係 | 700,400,568円 |
蚕糸関係 | 44,818,101円 |
畜産関係 | 76,898,104円 |
水産関係 | 232,212,926円 |
林業関係 | 425,578,141円 |
土木関係 | 1,747,333,628円 |
学校関係 | 40,108,100円 |
警察(電話)関係 | 4,544,800円 |
賠償物件 | 1,656,770円 |
食料関係 | 203,205,231円 |
被害項目 | 被害 | |
---|---|---|
人的被害 | 3,659人 | |
うち死者 | 130人 | |
うち行方不明者 | 38人 | |
うち負傷者 | 3,491人 | |
うち住家被害 | 42,161戸 | |
全壊 | 613戸 | |
うち流失 | 455戸 | |
うち半壊 | 2,028戸 | |
うち床上浸水 | 21,348戸 | |
うち床下浸水 | 17,717戸 | |
非住家被害 | 16,883棟 |
被害項目 | 被害 |
---|---|
被害額計 | 12,758,744,924円 |
家屋 | 1,621,646,000円 |
家財 | 424,181,000円 |
衛生関係 | 48,319,230円 |
商工関係 | 776,842,175円 |
耕地関係 | 2,491,752,240円 |
農作物関係 | 656,288,618円 |
蚕糸関係 | 64,534,582円 |
畜産関係 | 219,958,298円 |
水産関係 | 782,922,230円 |
林業関係 | 675,289,710円 |
土木関係 | 4,883,138,370円 |
学校関係 | 18,116,000円 |
賠償物件 | 1,400,000円 |
食料関係 | 94,356,471円 |
昭和53年6月12日、午後5時14分に宮城県を中心とした太平洋沿岸地帯に強い地震が発生しました。これは各地で震度5を観測する大地震となり、被害は東北全域から広く関東にも及び、また時期も梅雨期で地盤がゆるんでいたことから、道路など地面の亀裂、がけ崩れ、さらに堤防や橋げたなどの施設も被害が続出、復旧に多大の困難をもたらしました。
昭和61年8月1日にルソン島の東で発生した台風10号は、南西諸島東海上を北東に進み、4日午前9時には室戸岬南方付近に達しました。台風10号はさらに北東に進み、同日午後9時には石廊崎の南で温帯手気圧に変わったものの、勢力を維持したまま6日午前9時に仙台湾沖に達しました。
宮城県では台風の北上に伴い、4日8時頃から降り始めた雨は5日午後まで降り続き、仙台での降り始めからの雨量は400mmを超えました。吉田川流域では、流域平均300mmを超える降雨となり、吉田川の落合地点では、計画高水位を上まわる大洪水となりました。直轄管理区間4箇所において越水破堤し、甚大な被害が発生しました。その氾濫湛水は10日間以上に及び、排水のため他機関からもポンプ車などによる応援を得ましたが、水稲等の被害は著しいものでした。
吉田川では、この洪水を契機に、昭和61年度から直轄河川激甚災害対策特別緊急事業を実施しました。
東北地方では太平洋側を中心に広い範囲で、雷を伴った非常に激しい雨が降り、宮城県では9月10日夜から11日の朝にかけて記録的な大雨となり、9月11日3時20分に大雨特別警報が発表されました。
鳴瀬川流域の鳴瀬川では、流域平均2日雨量310mmと観測史上第1位、吉田川では、流域平均2日雨量324mmと昭和23年アイオン台風の334mmに次ぐ観測史上第2位、河川水位は鳴瀬川・吉田川の水位観測所15観測所のうち、13観測所で観測史上第1位を記録しました。
吉田川では、堤防の計画水位を超える洪水となり、堤防越水により家屋浸水被害が生じたことから、吉田川中流部で河道掘削を緊急的に行い、再度災害を防止するための対策を行いました。
36.0km付近:三本木下流地区付近
0.0km付近:多田川左岸地区付近
29.0km付近:吉田川上流地区付近
大型で強い台風第19号の影響により東北地方の太平洋側で非常に激しい降雨となり、10月12日19時50分に大雨特別警報が発表されました。
鳴瀬川流域の6雨量観測所で観測史上1位を記録し、また同流域の16水位観測所のうち11観測所で既往最高水位を観測しました。
鳴瀬川水系吉田川では、33地点で越水・溢水が確認され、10月13日午前7時50分頃には吉田川左岸20.9km付近(黒川郡大郷町粕川字伝三郎)にて堤防が決壊し約5,600haの浸水被害が発生しました。